《アラン・ホワイトが語る》: 1
ローリング・ストーン誌の、アラン・ホワイトのインタビューの記事です。
いろいろと語ってくれているのでご紹介しますね。以下抄訳。数回にわけてご紹介します。
ジョン・レノンとの出会いについて
ジョンが突然電話をかけてきたんだ。最初は誰かのイタズラだと思って電話を切ってしまったんだが、あとからジョンがかけなおしてきたんだ。
「明日トロントでライブがあるので、ドラムスをやってくれないか?」って。そして次の朝、迎えのクルマが来たんだ。
そして空港に行ったら、ジョンやヨーコたちが揃っていた。
「あ、そうだ、ギターはエリック・クラプトンだから」って、そのときはじめて告げられてね。するとトイレからエリックが出てきたんだ。
トロントでのライブは本当に素晴らしかった。25000人のオーディエンスがいたね。
そのときジョンはビートルズを離れるか離れないかのころだったから、すごくナーバスになっていたね。
ステージに上がってみたら、ストゥールはあるけど肝心のドラムセットがないんだ。
するとエリックが「あーまずいな」と言い出して、大急ぎでドラムセットが組み立てられた。そしてどこからかスティックが投げこまれ、そしてジョンの「ワン・トゥー・スリー・・」のカウントで、いきなりステージが始まったんだ。
そんなこんなの出来事がたてつづけに稲妻のようにおきてね。シュールな体験だったよ。
ジョンと「イマジン」をプレイした思い出について
これまたアップルから突然電話があってね。「次のジョンのアルバムのドラムスを担当してくれないか?」と。
それでジョンの家に行った。ジョンから歌詞を手渡されて、リハーサルを始めたんだ。僕はただ、曲にとって必要なリズムを叩くことに集中していたんだ。自分の役割に徹してね。
とにかく大きなファミリーの一員になったような気分だよ。あのビートルズ・ファミリーにね。
ある日ジョージがやってきたんだ。「次のアルバムのドラムスをやってくれないか」ってね。それが”All Things Must Pass”だった。
「イマジン」のときは、魔法のようなカンジだった。
何回かランスルーしていたときだ。
ドラムスから始まって、間奏はジョンが自分でピアノを弾くアレンジをしていたんだ。そのとき僕が「そのピアノ、最初に弾いたら?」と提案した。
するとジョンが「いいね。フィル(スペクター)、どう思う?」と尋ねていた。そしてあの曲になったというわけさ。
「イマジン」のテイク数は、本などでは”9回”とか書いてあるけど、実際は4回か5回だったよ。最終的に採用されたのはどのテイクだったか、今でも覚えてるよ。
最終的に決定したとき、「やった!これだ!これで完璧だ!」って、全員で顔を見合わせて納得したんだよ。スタジオに魔法がかかった瞬間だったね。
〜〜つづく〜〜