《スティーブ・ハケットが語る》: 6


最新アルバム”At The Edge Of Light”についてですが。このタイトルの意味は?

今は世界的に危機的な状況だ、と思うところがあって。
それで「注意深くありながらも楽観的でいること」を歌っているのが、このアルバムなんだ。

今のこの世界は、いろんな点で限界にきていると感じていてね。それをすごく危惧している。過激な思想をもつ人々があちこちで出現している。それは長期的にみて本当によいことなのかを見つめ直さないといけない、と感じているんだ。この星がこれからどうなっていくのか、ということについても危惧しているんだ。

前のアルバム”The Night Siren”は、かなりダークなトーンでしたね。このアルバムでは、いわゆる難民問題などを取り上げているようですが。

僕自身のルーツは難民だしね。僕の先祖は100年前にポーランドからイングランドに移民してきたんだ。僕がステージでよく語るのは、「100年前に僕の先祖を受け入れてくれなかったら、僕は今夜こうしてみなさんの前で演奏できていなかっただろう」ということ。

残念ながら移民・難民の問題は簡単ではないけれど、一人一人は普通の人であり、「どこかでなにかしら互いにつながっている」ということは変わらない。

音楽の役割というには、人々を元気づけることだけではなく、癒すことも大事なんだ。「平和」というメッセージは、僕の音楽の中には常に根底にある。

そういう意味もあって、ジェネシスが活動していた以前、60年代やそれ以前の人々が取り組んでいた試みを、これからもずっと継承していきたいと思ってるんだ。




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