入門書10冊を一気に読んでみてわかったこと


みなさんこんにちは。WordPressの世界に入門してもうかれこれ10年にもなるのに、いまだに入門レベルから抜け出せない斎藤彰重です。

それで私は今こうやって、入門書をとにかくかたっぱしから読んでみよう!という暴挙を実践しているところなのですが・・・

意外にも、そこからいろいろなことが見えてきて、実はそちらのほうがとても参考になりました。


著者の方々は、一生懸命全力で執筆していらっしゃる

これ、あたりまえのことなのですが、今回こうやって横断的に読書していてあらためて実感しました。

これらの参考書は、どれひとつとして、やっつけ仕事で執筆しているものはありませんでした。
どの入門書も、説明の流れ、文章そのもの、チュートリアルの企画やサンプル素材選びなど、細かいところまで工夫されているのを強く感じました。

それはそうでしょうね。”WordPress入門書”というのもひとつのマーケットであって、それが今すごく活況である。
その競争の激しいマーケットで、書店の平積みやアマゾンのランキングという厳しい現場で”上へ上へ”と駆け上がり、しかも上位をキープしていなければならないのです。

これってまさに、ウェブサイトで収益を上げるのとおんなじですよね。

そう。私は、これらの入門書を読み比べたことから、ウェブサイトを作るときの心構えを学習できたような気がします。
すなわち、

・お客様が何を求めているのか?
・それを自分はどのように応えられるのか?
・どういう伝え方をするのが、お客様にとって最善か?
・激しいマーケットでスタンドアウトし、さらにポジションをキープするには?

ということですね。こう列挙してみると、ふつうのビジネスの戦略と同じだ、ということがあらためてわかりました。

適切・最適なボリューム感

今回選んで学習している訳10冊のほぼすべてが、だいたい300ページ前後でした。たしかにこれぐらいのボリュームが、どんな入門書にも共通しているところだと思います。

そしてチャプターは10章前後。チャプター1個あたりに30ページほどを割いている計算になりますね。
これも、一個の課題を学習するのにちょうどいい長さなのでしょう。読んでいて私もそう感じました。

なんの課題をどのように盛り込むか?

さて、チャプターが10個と決まっているとき、この10個にどんな課題を盛り込むか?というところに、著者の工夫が見えてきます。

全体に共通している課題は、以下のようなものでした。

・ワードプレスとは?
・ドメインを取得しよう&レンタルサーバーの構築のしかた&ワードプレスをインストールしよう
・ワードプレスの管理画面
・記事や固定ページを投稿してみよう
・サンプルデータ・サンプルテーマ・サンプル素材の説明と使いかた
・メニューの作り方・ウィジェットの作り方・それらのレイアウト
・ビジネス系サイトのつくりかた OR 個人ブログ系サイトのつくりかた
・カテゴリーとタグについて
・プラグインについて & おすすめのプラグイン
・スタイルシート(CSS)やPHPファイルについて
・SEO対策とアクセス解析
・サイトのメンテナンス
・セキュリティ

さぁ、これらのうち、どの課題をどのようにウェイトを置くか?しっかり解説するか?が、著者の腕の見せどころなんですね。
この”ウェイトの置きかた”に、それぞれの著者先生の”熱い思い”を私は感じたのです。

さて、”永遠の入門者”である私。そんな私のニーズは非常に屈折しておりまして(苦笑)

・ワードブレスの基本的なところはわかっているんだが
・自分は個人ブログのサイトを作りたい。そしてあわよくば”自分の会社”のコーポレートサイトも作ってみたい
・そういうニーズに合った、最適なテーマについて教えてほしい
・テーマのカスタマイズの方法を教えてほしい
・プラグインも、星の数ほどあって、どれを選んだらいいのかわからない。”必須のプラグイン”を紹介してくれて、それの活用法を教えてほしい
・いちばん大事なのはSEOとアクセス解析だ、ということはわかってます。なのでそこらへんの部分も重点的にオネガイ

という、なんとも欲張りで気まぐれで自分勝手なニーズなのです。
で、こんな私の自分勝手なニーズにバッチリ応えてくれる「究極の一冊」は??

ありませんでした。。。
どれも一長一短で、「これ一冊でキマリ!」というものはなかったです。

ていうか、”なくて当然”ですよね。
すべてのお客様のニーズを100パーセントカバーできるようなコンテンツは、現実的にありえない。
ならば、それは逆に

「こういうニーズを持っているお客様に、私は100パーセント答える!」

と、方向性を変える?というか、見極めることがもっとも重要なのでしょうね。

どんなチュートリアルやサンプルテーマ、サンプルサイトにするか?

” 永遠のWordPress入門者”の私にとって、この10年間のいちばんのハードルは

自分のニーズに合ったテーマがどれなのかわからない

ということです。
これは逆にいえば「自分のニーズが明らかになっていない」ことでもあります。
ならば

自分のニーズを明らかにする方法を教えてほしい!

という、極めて自分勝手な他力本願なニーズもあるんですよね(苦笑)
でもこんな”他力本願”な認識を持っている人、世間にはたくさんいるはずだし(笑)

こんな私の他力本願に応えてくれる参考書、今回はいくつかありました。それは、自分のイメージに近いサンプルテーマを提示してくれた書籍でしたね。

つまり、

WordPressの参考書を選ぶときは、自分のイメージに近いサンプルサイトをチュートリアルしてくれている書籍を選ぶのがいちばんいい

という点に、いちおう到達した気がします。

そういう点で自分にとって”いいね!”だったのは、この3冊でした。

小さなお店&会社のWordPress超入門–花屋さん

この参考書では、“埼玉県大宮にある”小さな森の雑貨屋さんのサイト”というストーリー設定です。
使用するテーマは、この参考書を制作した会社さんのオリジナルのテーマ”Saitama”です。
そういう自社製テーマということもあってか、解説はとてもわかりやすかったです。
また、この”Saitama”はシンプルであり、スモールビジネスにとっては必要十分な機能を備えていたので、私の持っているイメージに最短距離で応えてくれる「即戦力」とも感じました。

いちばんやさしいWordPressの教本–雑貨屋さん

こちらの参考書《いちばんやさしいWordPressの教本》では、花屋さんのウェブサイトを立ち上げるというストーリー設定です。
さらに、このお店のオーナーさん(若い女性)を設定して、この女性オーナーと会話しながらステップバイステップでサイトを構築していく、という流れになっていました。
これがとてもわかりやすく、私にもとても”スッと腹落ちする”感覚が持てました。

この”花屋さんのウェブサイト”を構築する上でチョイスしているテーマは “Lightning”でした。

Lightningをつかって”花屋さん”のビジネスイメージを最大限に適切に表現・実現しているのが、わかりやすい解説とあいまって、とても参考になりました。

仕事の現場でサッと使える! デザイン教科書–リゾートホテル

この参考書《仕事の現場でサッと使える! デザイン教科書》でチュートリアルとして挙げているのは”石垣島のリゾートホテル”です。

ホテルのウェブサイトというのは、ビジネスサイトとして押さえておくべき基本の要素を学習するのにピッタリな題材だと思います。
ホテルのサイトは
・まず第一にスッキリしていて、安心して利用できそうな期待
・利用する楽しみを増幅してくれるような、明るい印象
・知りたい情報にスムーズにアクセスできる。客室の造りや宿泊プランなど
が重要です。
これらのポイントを、サンプルテーマで自然に学習することができました。

また、ホテルというのは、先の花屋さんや雑貨屋さんと比べるとはるかに商品構成が複雑です。
逆にいうと、ホテルぐらいの商品構成を整然と提示しアクセスできるような方法を、最低限度学習しておかないといけないよ
ということを提示しているわけですね。

この点において、ホテルのサイトをチュートリアルに採用するのは、もっとも適切だな、と感じました。

入門書を選ぶときは、どんなサンプルサイトやチュートリアルかをよく見て、自分のイメージに合うものを選ぼう。そうすれば学習の吸収もいいよ

ということがわかりました。

これをひっくり返せば。

製作側に立ってみれば、入門書を製作するときは、サンプルサイトやチュートリアルの選定と作り込みにもっともエネルギーを注ぐべき。ストーリー(もっといえばカスタマージャーニー)をしっかり作り込みべき

といえると思います。


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